今回は、史上初!読者様のリクエストにお答えするコウナーです(本当)。
近年のメキシコでの日本語⇔スペイン語の社内通訳のレベルですが、一言で言うと下がる一方という印象です。(及び給料は上がっています)
理由は単純で、ここ7~8年くらいの間で日系企業(ほとんどが自動車関連)が乱立しているので通訳の需要に対して供給が追い付いていないからです。
なので逆に言えば、スペイン語にあまり自信がないけど取りあえず会話なら何とかなるレベルのあなた、
メキシコなら通訳できます。
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現在日本語スペイン語の通訳はバブル期なので、「働かせてください」ではなく、企業側から「働いてください」と言われる側という奇跡です。
また、どさ草に紛れてプラスαもお知らせできればと思います。
現状・スペイン語の目安レベル
私は計5年通訳として働き(最近はほぼ雑用中心なのは内緒)、無数の通訳の方々に会ってきましたが、なんと初級レベルでも通訳ポジションの人も結構いらっしゃいます。
(私の定義する「初級者」はいくつかの記事で説明しましたが、おおまかに言うと文法を接続法過去完了まで使いこなせていないレベルです)
これは会社にもよりますが、それなりの月給を払ってちゃんとした通訳を雇う会社もあれば、かたやケチって初級レベルの通訳を雇う所も結構あります。
まあ、そういう初級レベルの通訳は正しい通訳はあまりできないので、もはや通訳ではないのでは?とも思いますが役職は通訳です(通称、通訳パラドックス)
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さて、目安のスペイン語レベルですが、DELEのB2くらいあればいいんじゃまいかと思います。
ただし、入社前の面接は大抵ネイティブとの普通の雑談をさせられるだけで、DELEを持っているかどうかは問われません。
私が受けた中では、唯一某H島系大手自動車会社Mの面接では、日系人によるオールスペイン語(通訳の試験付き)でしたが、他社(4~5社くらい)はみんなネイティブとの適当な雑談でした。
(ちなみにM社は合格しましたが、入社しませんでした)
業務内容
は、大体以下の通りです。
- 社内(会社によっては社外も)通訳
- 資料などの翻訳
- 雑用
などです。
細かい内容に関しては、長くなるので別の回で書きます。
特に注意したいポイントは、
- 自動車関連企業が大多数なので、その手の専門用語は覚えなくてはいけない
- うざい日本人(特に駐在者)多数(後述)
です。桑原桑原。
雇用形態
これは様々ですが、ほとんどが現地採用です。
会社によっては現地で採用しても本社採用扱いの所もあり、給料が倍くらいになります(厚生年金付き)。
雇用期間も、数か月の短期・1年ごとに更新・無期限など様々ですが、期限付きの方が多い印象があります。
これは、日本人駐在者はいずれ数が減っていくので、その時には通訳の必要がなくなるからです。
現に私の今働いている職場でも、日本人はほとんど帰任したためほぼ完全に雑用メインになっています。
(そうは言っても周りはもんなメキシコ人なので、スペイン語レベルは高いにこしたことはありません)
また、派遣会社に登録して短期(数日~数か月)でやるというパターンもあり、こちらは語学レベルもそこまで高くなくても直接雇用の2倍以上給料がもらえる場合もあるという、意味不明かつ理不尽な感じになっております。
ただ、福利厚生に難があるようなので、そこは注意してください。
OH!給料!及び福利厚生の目安
さあ、やってまいりました。
あなたも私もみんな大好き、OH!金の話です。
一言で言えば、結構もらえます。
私の感覚だと、2020年現在の通訳の月給目安は次の通りです。
※スペイン語ができる日本人についてです。日本語ができるスペイン語圏の人は別です。まあそんな読者様はいないでしょうけど。
※グアナファト州周辺の話です。それ以外の地域はこれより低いと思います。
なんとか会話ができるレベル
→20000~25000ペソ程度(100000円~125000円くらい)
中級~上級者(通訳経験なし)
→25000~35000ペソ程度(125000円~175000円くらい)
中級~上級者(数年の通訳経験あり)
→35000~50000ペソ程度(175000円~250000円くらい)
それ以上のレベル/日系などのナチュラルなバイリンガル/本社採用
→50000~100000ペソかそれ以上(250000円~500000円かそれ以上)
数字だけ見るとしょぼいと思う方もいらっしゃるでしょうが、メキシコの物価は日本の大体3分の1ですので、最低ラインの目安の2万ペソでも日本で30万もらえる感覚だと思っていただければと存じます。(現地の人からすると月給1万ペソでも高い方です。あるデータでは首都メキシコ市の平均月収は5000ペソ程度になっていました。どうやって生きるのでしょう。)
つまり、給与面だけ取ってみればメキシコではウッホウホうっはうはの人生が歩めることでしょう。
ただ、税金だの何だので、約2~3割はもっていかれます。
また、福利厚生の話もしておきましょう。
メキシコにある会社は、ほぼ100%次の福利厚生を提供しています。(ていうか、法律で定めれらています)
- 買い物券(給与の5~10%程度、vales de despensa)
- 積立金(給与の5~10%程度、fondo de ahorro)*3
- クリスマス休暇(給与の半月分程度、aguinaldo)
- 2年目から有給休暇6日(1年ごとに2日ずつ増える)
- 休暇ボーナス(1日当たりの給与額×125%、prima vacacional)*4
これ以外にも細かいのはありますが、とにかくこれだけの条件ならほぼ不自由なく生活できます。
(しかし1年目は有給0日です。祝日もほとんどなく、振替休日もありません。これは悲劇です)
この国では、稼ぐお金の金額で結構人間性を判断されがちなので、これだけもらえれば馬鹿にされることはありません。
大変遺憾なデメリット
これだけ通訳は美味しい、という話をしましたがもちろん楽ではありません。
次のようなデメリットがほぼ確実についてきます。
- ちょっとしたミスで通訳にケチつける奴がいる(主に日本人駐在者)
- 何でも通訳のせいにする輩がいる(主に日本人駐在者)
- 通訳は誰でもできると言うすっとこどっこいがうざい
- 会社によっては 残業の嵐
- メキシコの日本人駐在員数は徐々に減っていくので、いずれ需要がなくなる
また持病の日本人disりが発症してしまいましたが、そもそも長期海外在住日本人と日本だけで働く日本人とでは価値観が違いすぎでもはや共存不可能です。
なので、日西通訳をするのはこのような多大なるストレスを受けることになります。
また、最後の点についてはまた記事を作る所存ですが、語学以外で勝負できるスキルも身に着けておくことを強くお勧めします。
ちなみに私も独自のビジネスを立ち上げるべく、その第一歩としてこのブログをしこしこと書いております。
ケツ論
どの仕事も一長一短かと思いますが、ストレスはあるにせよ私のような語学ヲタにしてみれば通訳は割と美味しい仕事です。
今(2020年)はまだまだメキシコでは通訳バブル真っ盛りなので、スペイン語好きなあなたは是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ということで、メキシコでお会いしましょう!(ウキウキな差し入れ希望)
本日も最後まで温かい目で読んでいただきありがとうございました。
↓スペイン語の学習法についてごちゃごちゃ語っている記事